泌尿器のがん|あまかす医院泌尿器科|横浜市緑区の泌尿器科|土曜診療

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泌尿器のがん

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副腎がん(副腎皮質がん)

副腎がん(副腎皮質がん)

副腎は、腎臓の頭側にあり、皮質と髄質に分けられています。小さな臓器ですが、体のバランスにかかわる重要なホルモンを産生する臓器です。副腎皮質がんは副腎皮質から発生する非常にまれながんの1つです。また、副腎髄質からも悪性褐色細胞腫や神経芽細胞腫といった悪性腫瘍が発生することがあります。副腎がんは100万人に2人程度という珍しいがんです。10歳前後と40~50歳代に比較的発症しやすく、女性に多いといわれています。(男女比1:1.5~3)

腎臓がん

腎臓の中には尿細管があり、その尿細管の上皮細胞から発生するがんを腎細胞がん(腎がん・腎臓がん)といいます。初期で症状が出ることは稀で、人間ドックなどの検査で偶然発見されるケースがほとんどです。骨や肺、脳に転移したがんが先に見つかり、原発巣のがんとして腎細胞がんが発見されることも少なくありません。
進行にともない、血尿、腹部のしこり、背中や腰の痛み、発熱、食欲不振、貧血など様々な全身症状が現れます。好発年齢は50〜70代で男性に多い傾向があり、高齢になるほど発症頻度が高くなります。

腎盂・尿管がん

腎盂・尿管がんは尿が腎臓で生成された後の通り道である腎盂および尿管内に発生する悪性腫瘍で、多くは腎盂・尿管・膀胱の内部をおおう尿路上皮にできる尿路上皮がんですが、扁平上皮がんや小細胞がんなど、他の組織型のものもあります。
腎盂・尿管がんによく見られる症状としては、

  • 血尿
  • 腰や背中、わき腹の痛み

があげられます。
腎盂・尿管がんで最も多い症状は、肉眼でもわかる血尿です。また健診の超音波検査などで水腎症(尿管が閉塞して腎臓で作られた尿が腎盂に貯留している状態)で発見されることもあります。この場合や、がんが周囲に広がった場合などには、腰や背中、わき腹の痛みが起こることもあります。
比較的稀な疾患で、頻度は膀胱がんの1/20程度です。腎盂がんは尿管がんよりやや多く、尿管がんは尿管の下1/3(下部尿管)に多いといわれています。男性に多く(男女比2~4:1)で、高齢になるほど発生頻度は高くなり50~70歳台に好発します。
原因のひとつとして、尿中の発がん物質との接触が考えられています(膀胱がんも同様です)。喫煙をはじめ、染料、化学薬品、一部の薬剤(鎮痛薬や抗がん剤)などが危険因子としてあげられます。

また、尿路に結石がある状態が続くことでなどで起きる慢性的な炎症がきっかけとなることもあります。

膀胱がん

膀胱がんは、膀胱にできるがんの総称です。膀胱がんの大部分である90%以上は、膀胱の内部をおおう尿路上皮にできる尿路上皮がんです。尿路上皮がんのほかに扁平上皮がん、腺がん、小細胞がんなどの種類もあります。
膀胱がんによく見られる症状としては、

  • 血尿
  • 頻尿
  • 排尿時の痛み
  • 尿が残る感じ
  • 切迫した尿意
  • 尿が出にくい

などがあげられます。
膀胱がんの検査では、まず尿検査を行い、尿の中に血液やがん細胞が含まれているかどうかを確認します。膀胱に尿がたまった状態での超音波検査で発見できることもあります。しかし、小さい膀胱がんは超音波検査では発見困難なことがあるので、膀胱がんが疑われる場合には膀胱鏡検査が必要になることがあります。がんであることがわかった場合には、転移の有無や膀胱内のがんの深さや広がりを確認するため、CT検査やMRI検査などの画像検査を行います。深達度や組織型の最終診断は、内視鏡手術のあとにわかります。
膀胱がんはいったん治っても再発することが多いがんで、念入りな経過観察が必要です。再発しても早期であれば再度の内視鏡手術で治療可能です。当院では術後の経過観察も膀胱鏡や尿検査などでしっかり行えます。

前立腺がん

最近急増している前立腺がんは、病気の段階により様々な病態があります。それぞれの段階に従い様々な治療が行われています。治療の必要のない小さな早期がんもありますが、命にかかわるような進行がんである場合もあり、それぞれに対して過不足のない治療を行うことが大切です。一般的に進行が遅いといわれておりますが、組織型によっては、あっという間に進行してしまうものもあります。前立腺肥大症と混同され、排尿障害が出ると思われがちですが、早期の前立腺がんは症状がないことが多いです。もちろん前立腺肥大症と併存することもあります。

前立腺がんが進行すると次のような症状が現れます。

  • 尿が出にくい
  • 排尿時に痛みを伴う
  • 尿や精液に血が混じる
  • 腰や足が痛い(骨転移)

前立腺がんの決定的な原因は明らかになっておりませんが、遺伝や食生活、男性ホルモン、加齢などが関連すると考えられています。特に家族に前立腺がんの患者様がいる人は注意が必要です。父親や兄弟が前立腺がんの場合リスクが2倍、2人以上いる場合は5〜11倍に跳ね上がることがわかっています。
現在では採血(PSA:前立腺特異抗原)により前立腺がんの検査を容易に行うことができます。またPSAが低い前立腺がんも存在するため、超音波検査などで形状の確認も必要です。

精巣腫瘍

精巣腫瘍は男性の精巣(睾丸)にできる腫瘍で、20~30歳代の男性に起きる固形がん(白血病などの血液腫瘍以外のがん)としては最多です。多くは悪性(がん)で進行の速い場合が多く、症状は痛みのない陰嚢内(精巣部分)のしこりや、精巣の腫大です。まれに軽度の痛みを伴うこともあります。発症のリスク因子として、停留精巣(精巣が陰嚢内にない状態)や、片側の精巣腫瘍の既往、家族歴などがあげられます。細胞の種類によって大きくセミノーマと非セミノーマに分けられており、後者の方が転移を起こしやすく、より悪性の経過をとりやすいと言われています。
転移を起こすと様々な全身症状がでてきて、腹部や頚部のリンパ節が腫れ、しこりを感じたり、肺に転移し呼吸が苦しくなったり、ホルモン異常で乳房が膨らむなとの症状がでます。肝臓・骨・脳などにも転移をすることがあります。
しかし、医学の進歩により、効果のある抗がん剤が発見されてからは転移のある進行症例でも、現在はある程度治し得るがんとして考えられています。
診断は、触診や超音波検査で比較的容易に可能です。採血も重要で、腫瘍に特徴的なマーカーがあります。精巣腫瘍が疑われた場合には、まず手術で摘出しますが、細胞の種類や、病気の段階によりその後の治療方法が決まります。

その他腹膜腫瘍

腹膜は腸や肝臓などを包み込んでいる膜で、その腹膜よりも背中側を後腹膜領域と呼ばれます。この領域には副腎や腎臓、尿管・膀胱など泌尿器科が扱う臓器が多数あります。
後腹膜腫瘍はこの後腹膜領域に発生した腫瘍の総称で、比較的稀な疾患です。悪性腫瘍としては、悪性リンパ腫や脂肪肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫などの肉腫があり、良性腫瘍としては、神経鞘腫、血管腫、脂肪腫、奇形腫などがあげられます。

初期には症状がないことが多く、早期発見が困難です。まわりの臓器を圧排するほど腫瘍が増大すると、様々な症状が出現します。特徴的な症状は少なく、腹痛、嘔気、嘔吐、便秘、排尿障害などの症状があらわれます。増大した腫瘍が、体の外から腹部腫瘤として蝕知できることもあります。